東京高等裁判所 昭和27年(う)3730号 判決
〔抄 録〕
弁護人の論旨第一、三及被告人の上申書中事実誤認の点について。
併し乍ら職業安定法第五条第三項によれば同法にいう有料の職業紹介とは実費職業紹介及営利職業紹介をいい実費職業紹介とは営利を目的としないで行う職業紹介であつて職業紹介に関して実費としての入会金、定期的掛金、手数料其の他の料金を徴収するものをいい営利職業紹介とは営利を目的として行う職業紹介をいうのであつて記録によれば被告人は原判決第一(一)乃至(七)摘示の如く長期に亘り継続反覆して小林利子外四名に職業を紹介し之に関して其の都度雇主より実費及謝礼名義で千円乃至三千円の料金を徴収して居たことを認めるに十分であるから仮令弁護人所論の如くそれが被告人の営利を目的とする専業でなかつたとしても被告人は少くとも同条及同法第三十二条第一項本文に所謂有料の職業紹介事業を行つたものと認定し之に同法第六十四条第一号を適用した原判決には何等所論の如き事実の誤認又は法令の適用に誤りあるものと謂うことは出来ず、論旨は其の理由がない。